March 20
評論家の立花隆氏は、文藝春秋社を辞める際、本名の橘隆志という名前で「退社の弁」という文章を社員会報に寄稿している。その中には次のようなメッセージが綴られている。
“ぼくにとって読みたい本を読むのに時間がかかりすぎることよりも、もっと絶望的に思えたのは、ぼくが読みたい本を、真に読む必要があると思う本を避けているために、自分がまぎれもなく刻一刻精神的退廃の過程をたどっているにちがいないという自覚だった。”
“そんな疑惑がぼくを襲い、ますます物理的に見ることばかり熱中してるぼくが、やがて物理的に見ることに馴らされきってしまったぼくになるだろうと思ったとき、ぼくはより多く見るために、より少なく見ようと決心した。”(いずれも『ぼくはこんな本を読んできた(文春文庫)』より)








